バウンダリーとは?

バウンダリーという単語を耳にしたことはありますか?バウンダリー「boundary」を英語で訳すと「境界」あるいは「境界線」という意味があり、心理学や精神医療の分野では自分と他人との境界線のことをいいます。
友達が悲しそうにしている時に、「大丈夫?話を聞こうか」と声をかけることがあると思います。自分がされて嬉しかった経験があるからです。
ただし自分と他人は違います。「一人にしてほしい」と言われることもあるでしょう。
この例以外にも「相手のことを考えて行動したのに報われずイライラする」ということが多くなってきた場合、もしかして、あなたのバウンダリーが適切ではないのかもしれません。
間違ったバウンダリーの例
では、自分と他人との境界線を間違えている例を3つ紹介します。
①親がやるべきことを子に押し付ける(ヤングケアラー)
「家族のケアは子どもであっても家族でするべきだ」という考え方を親に押し付けられた子どもがいます。親のバウンダリーが適切ではない代表例です。
反対に子どもの問題に親が介入しすぎるのも問題です。「子どもにとって一番良い選択を判断できるのは親である」と勘違いして、学校や友人関係、仕事や結婚にまで口を挟んでしまうケースです。
②愛情という名のもとに暴力を振るう、振るわれても愛だと錯覚する
相手のことが好きであるが故に、「自分と相手が一心同体だ」と感じる瞬間はあるかもしれません。
しかし、自分の考えと違うことで相手に対し「わかってほしい」と暴力を振るうのは間違ったバウンダリーです。
また暴力をふるわれても「自分にも非があった」と納得してしまうことも問題です。
③頼んでもいないのにアドバイスをする
相手が困っている時にひとこと声をかけたい気持ちもあるとは思いますが、相手の時間や気持ちを考慮せず、自分の気持ちを押し付けていることになります。①②よりも日常に多く見られるケースです。
家庭や職場でつい使ってしまうバウンダリーを侵害する言葉

自分には適切なバウンダリーがあると感じていても、知らずに相手の領域を侵害しているという可能性もあります。日常でよく聞く3つのフレーズを紹介します。
①「あなたのためを思って言っているんだよ」
相手のことを考えているように思えて、自分の価値観を押し付けている場合もあります。
相手をコントロールし「自分の意見が採用される満足感を得たい」という心理も見え隠れします。
②「私の言う通りにしておけばよかったのに…」
職場の後輩につい使ってしまう場合もあるかもしれません。自分の意見が絶対であるかのように振る舞い優位に立ちたい心が隠されています。パワハラにつながる言葉でもあるので注意が必要です。
③「相談してくれればよかったのに…」
何気なく使ってしまいますが、「なぜわたしに相談しなかったのか」相手を責める言葉になりかねません。「相談されなかったので何もできなかった。自分のせいではない」という気持ちが表れた言葉でもあります。
バウンダリーの種類
①物理的境界線
他者に侵入されるされると不快に感じる空間、すなわちパーソナルスペースです。
握手やハグの強要、話す時の距離が近すぎる、という例があげられます。
②性的境界線
同意なしに人の身体に触れることは認められていません。
容姿に対しての発言なども含まれます。
③知的境界線
意見を一方的に否定されたり、人前でバカにされる、子どものいる前で不適切な話をされる場合も知的境界線の侵害になります。
④感情的境界線
相手に求められても、自分の気持ちを全部話す必要はありません。
自分のペースで話したり、相手を選ぶ権利があります。
⑤物理的境界線
所有に関わる線引きで、あなたの持ち物を共有するかどうかを決められます。
お金を貸してと言われても嫌であれば貸す必要はありません。
⑥時間的境界線
自分の時間をどう使うかを選べます。何度も電話に付き合わされたり、無償で仕事や頼み事をされる場合などがあげられます。
バウンダリーは大切です。しかし、自分を守るために人を寄せ付けない壁を作るのは健全とは言えず、人間関係が希薄になる、自分勝手と思われる可能性も含んでいます。自分と相手が気持ちよく過ごせるような適切なものでなければいけません。
バウンダリーを適切に引けるポイント

ではどうやって適切なバウンダリーを引けるのでしょうか。
他人と自分の違いを意識することが大切ですが、そのために大切な3つのポイントを紹介します。
①相手のことばかり考えず、自分のことを大事にする
自分のバウンダリーに踏み込まれ過ぎていても気が付かず過ごしている場合もあります。
「断ったら嫌な思いをさせるかも」と言う恐怖心があり、なかなか「NO」と言えない状況かもしれません。
「嫌なものは嫌」と言って離れていく人であれば、縁がなかったと考えるのも一つの考え方です。
自分のことを犠牲にせず、大切にすることも正しいバウンダリーに繋がります。
②思い込みは捨てる
「相手にこう思われているだろう」と勝手に思い込み、一方的に決めつけたり、深読みしない事も大切です。自分で勝手に判断せず、しっかりコミュニケーションをとりましょう。
③相手も自分も大切ににしたコミュニケーションを心がける
アサーションと言って、自分の主張はするけれど、相手を傷つけないコミュニケーション方法があります。主語を「あなたはこうだから」ではなく「私はこう思う」に変えるのもアサーションです。また、否定形で終わるのではなく、提案を最後に付け加えることで印象が変わります。
バウンダリーをひけるメリット
バウンダリーを壁をつくる、日本語で一線を引くと言うネガティブな捉え方をせず、心の健康のための譲れない境界線と考えてみましょう。バウンダリーのメリットはいくつかありますが、その中で3つ紹介します。
①ストレスが減る
バウンダリーによって相手のことを過剰に気にすることが少なくなります。また、相手からの侵入を防ぐことも同じように効果があります。無理な仕事は引き受けないというような必要以上に頑張りすぎないための安全策となり、セリフケアに繋がります。
②自分と他人の意見の違いを認められる
バウンダリーの考え方は、相手と自分は違うと言うことを認めることです。違いを認めることで、自分の思いもよらないことで人が悲しんだり怒ることもあると理解できるようになります。その結果不要な悲しみや、自分勝手な怒りを人に向けることが少なくなります。
③環境や人のせいにせず自分で決断できるようになる
バウンダリーが壊れてしまうと、人の意見や顔色ばかりうかがうようになり、自分で決断できなくなります。他人が決めたことに従っていると、うまくいかない場合、他人のせいにしてしまう思考に繋がります。適切なバウンダリーが引ければ、自分の判断を信じられるようになり、人を恨むことがなくなります。
まとめ

バウンダリーは相手にどう接してほしいかを示す手がかりとなり、人間関係を円滑にするコミュニケーションに繋がります。
バウンダリーを人との壁をつくる悪いものととらえず、肯定的に捉えてみましょう。
今ではSNSでもバウンダリーが求められています。情報を自分で精査したり、不快な投稿をする人のフォローをやめる事も必要です。「NO」と言えることは大事ですし、反対に人から「NO」と言われることもあると認識し受け入れる覚悟も必要です。
自分にとって生きやすいバウンダリーを見つけていきましょう。

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