だれもが一度は耳にしたことのある「コラーゲン」は、60年以上も前に発見された成分です。

今回はこのコラーゲンを取り上げて、その性質や働きについて美容ライターの筆者が解説していきます。

コラーゲンは肌の弾力を保つ成分です

コラーゲンの効果について解説する前に、まずは「そもそもコラーゲンとはどのようなものか」について解説していきます。

コラーゲンはたんぱく質の一種であり、人体の構成に欠かすことのできないものです。私たちの体に存在するたんぱく質のうちの実に3割近くがこのコラーゲンで占められていて、軟骨や血管、また皮ふを作るために使われています。

私たちの肌は、真皮と、その真皮の上に存在する表皮によって構成されています。そしてその真皮の中に存在しているのが、コラーゲンやヒアルロン酸、エラスチンや繊維芽細胞です。コラーゲンと結びついて存在する繊維である「エラスチン」、コラーゲンとエラスチンの間を埋める「ヒアルロン酸」、そしてこの3つの重要なものを生み出す「繊維芽細胞」が力を合わせて、人の肌を作っているのです。なお、真皮の構成要素のうちの実に70パーセントがこのコラーゲンであり、コラーゲンは人の肌のハリや弾力を保つために必要不可欠な成分だといえます。

しかし年齢を重ねたり、紫外線によるダメージを受けたりすることで、コラーゲンなどを生み出す繊維芽細胞は徐々にその数を減らしていきます。また生産能力も衰えていきます。この繊維芽細胞の減少・生産能力の低下を、100パーセント防ぐことはできません。老化によって肌のハリや弾力が失われてシワやたるみが出てしまうのは、このような原因によるものです。

コラーゲンを摂取しても直接的に真皮層のコラーゲンをよみがえらせることは難しい

「繊維芽細胞の働きが衰えて、コラーゲンが生産されなくなるのであれば、その分を外から補えばよい」と考える人もいるでしょう。しかし残念ながら、コラーゲンを摂取しても、真皮層にあるコラーゲンが直接増えることはありません。コラーゲンが配合された化粧水などを肌に塗ったとしても、コラーゲンの分子は大きいため、直接真皮層に届くことはありません。

また、「飲むコラーゲン」が皮ふの状態を改善するのではないかというデータも近年 [1] 出てきていますが、同時に、「コラーゲンを摂取していても、角質の水分量などに変化は見られなかった」という論文も出されています。

そのため、「コラーゲンの摂取によって、直接的に肌の状態を改善させることは難しい」といえるでしょう。

コラーゲンの補給は無意味? いいえそんなことはありません

前述では、「コラーゲンを塗布・経口摂取しても、肌のコラーゲンが直接よみがえることはない」と記載しました。

ただそれでも、コラーゲンをスキンケアに取り入れることは無意味ではありません。

なぜならコラーゲンには、高い保湿力が認められるからです。コラーゲンは水分をぎゅっと抱え込み、肌に水分の保護膜を張る効果が認められています。

コラーゲンの一種を配合した化粧水を使った場合、ただの精製水を使った場合に比べて、塗布直後の肌の水分量は25パーセント近く、2時間後の場合は30パーセント近くも上回るというデータがあります。また、肌から水分が蒸散することも防げるという効果もあります。

また、コラーゲンは、ほかの保湿成分ともよく組み合わされます。たとえば、空気中から水分をひっぱってくるグリセリンや、水分の蒸散を防ぐ効果と肌の柔軟さを保つホホバ種子油、湿度が低い環境下でもしっかりと水分を挟み込めるセラミドなどが、コラーゲンとよく組み合わされています。また、以前取り上げたヒアルロン酸(記事はこちら)との相性も良い成分です。

コラーゲンや、それと組み合わせた保湿成分によって、肌に水分の保護膜が張り巡らされた場合、水分によるみずみずしさやハリを出すことができます。また、この保護膜がほこりや紫外線の侵入を防ぎ、肌をダメージから守ります。繊維芽細胞もダメージを受けにくくなるため、結果的には、「シワやたるみができにくい肌」に導くことができるのです。

長い歴史を持つコラーゲンは、今も昔も、私たちの肌を守るために役立ってくれる成分です。みずみずしく柔らかい肌を目指す人にとって、コラーゲン配合の美容液は心強い味方となってくれるでしょう。

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出典:

[1] Int J Dermatol ”Effects of hydrolyzed collagen supplementation on skin aging: a systematic review and meta-analysis ”
春日井昇平、小山洋一「コラーゲン経口摂取が結合組織(骨、皮膚)におよぼす作用」p108
多木化学株式会社「<化粧品原料> 3重らせんコラーゲン

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